「しかもお前、めちゃくちゃ可愛くなってるし」
千秋はあたしの髪の毛を絡みとるように手を滑らせて、そっと口づける。
ドキドキが止まらない。
今にも溢れそうになる。
「ほんとは去年の文化祭で、お前のことかっさらってやろうと思ったけど」
「え……」
「お前オレのこと嫌ってたろ?」
「う……。だって千秋、入学式の日、意地悪言ったんだもん……」
“色気ねぇ”って。
あたしは派手に転んじゃって、千秋にパンツ見られたんだ。
思い出すだけで恥ずかしいよぉ。
あたしを見下ろす千秋は絡ませた髪の毛から指を離して、口元だけで笑う。
「……“氷のプリンス”なんて言われてたじゃないっ」
顔が火照って、熱でもあるんじゃないかってくらいに体温が上昇する。
だから誤魔化すためにそう言ったのに……。


