俺様王子と秘密の時間



カチャカチャッ……


うんんんん――?

なんだ、この鉄製の音。



「やっぱりダメだよぉっ」

「無理っ、限界」


ちょっ……ちょっとちょっと!

この音ってもしかして、ベルト外しちゃってる?


荒々しい息使いが、この四角い教室内で妙に響いている……。


ああああーっ、どうしよ!
盗み聞きしといてなんですけど、あたしが限界だよ……。



ひぃいいいいいい……。

完全にパニックに陥ったあたしは、寄りかかる手に力が入ってしまった。




ギッ――。


しまったあああーっ!

あたしったら、本当に何やってんのよおおぉ……。



「キャッ!誰……?」


驚いた女の子の声がコチラに向かって発っしているのがわかる。