目をキョロキョロさせながら、魚みたいに口をパクパクさせるあたしを見て、千秋は「はぁああー」とため息をついた。
「オレと雅弥は篠ヶ原中バスケ部だったわけ」
「ほぇ?」
篠ヶ原中……篠ヶ原中……。
あっ……。
確か羽鳥ん家で篠ヶ原中のアルバムを見つけて、ユリさんの話をしてくれた時に、バスケ部だったって言ってたっけ……。
“篠ヶ原中”“オフェンスの鬼”
そんな言葉が頭をよぎった。
「も、もしかして……“オフェンスの鬼”って千秋のこと……?」
「ああ、そうだけど?」
ニッと妖しく笑う千秋。
「んで中の3時、試合でお前んとこの中学行ったんだよ」
し……知ってますとも。
だって女の子達が騒いでたもん。
「そん時、お前のこと見たし」
「うっ……嘘だよ……」
な……なに言ってんのよっ。
あたしは見てないし。
知らないもん。


