「……千秋が知ったら、あたし、嫌われちゃうんじゃないかって、そしたら怖くて言えな……っ」
涙をこらえながら言うあたしに、千秋は唇を落とし言葉を封じた。
あたしの言葉の続きは、千秋の唇の向こうに溶けてしまった……。
「んっ」
小さく声を漏らすと、千秋は静かに唇を離した。
頭の後ろに回った千秋の手が頬を伝いゆっくりと滑り落ちてきた。
そしてあたしの顎を長い指でつまむと、クッと軽く上を向かした。
触れられた顎が熱を持つ。
「……っ」
千秋の唇はまだ息が触れ合う距離にあって、思わず目を逸らしてしまいたくなる。
だけど、千秋の瞳に捉えられたあたしは目をパチパチさせるだけで、口を結んでしまう。
そして。
「んなこと、とっくに知ってるけど?」
「えっ……?知ってるって?」
「お前が地味だったってことだよ」


