「……ユリさんに会ったよ」
あたしは静かに口を開く。
「ユリに?」
あたしは千秋から目を逸らして、制服のスカートに目線を落としながらコクンと頷いてみせた。
「千秋が一緒に居てくれたのは、春希さんに頼まれてたんだって、ユリさんが羽鳥に……」
「聞いたのか」
首を縦に振るあたしに千秋はそう言って「フッ」と笑みをこぼす。
「ユリ、知ってたのか」
「きっとそうじゃないかって……ユリさんが」
すると千秋は少し儚げな表情を浮かべ目を伏せるけれど、すぐにあたしの目を見据える。
……視線が絡まり合った直後。
「そろそろ限界なんだけど」
「へっ?」
顔を上げた瞬間、千秋の長い腕があたしの背中に回り、ギュッと力強く抱きしめられた。
甘い香りに包まれて、
千秋の体温が身体中を駆け巡る。


