階段を上って、渡り廊下のもっと奥へ千秋は無言で進んで行く。
連れて来られた場所は、
元・資料室、
【禁断の部屋】だった。
「ち……千秋……?」
そう呟くと、千秋は教室の長い机の上にそっとあたしを座らせた。
あの日、千秋と最悪な関係が始まったのもココだったことを思い出すあたしは、顔が熱くなる……。
「あの……あたし、千秋のこと、誤解してて……ユリさんと……」
言い終える前に、千秋は机に座るあたしの膝の横に手をついて、目線が同じになるようにかがんだ。
鼓動が加速し始める。
「早とちり」
「いたっ……」
千秋は低い声でそう言うと顔をグッと近づけてあたしの鼻を摘んだ。
ドキンッ……
目の前に千秋の顔があって、ブラウンの瞳に吸い込まれてしまう。


