腕を組んだ羽鳥が千秋に近づく。
そして、あたしをお姫様だっこしている千秋に向かって口を開く。
「シイのこと泣かせたら、てめえのことぶっ殺す」
羽鳥……。
一瞬目が合うと、羽鳥は瞳を緩ませて笑ってくれた。
「泣かせたらまじでぶっ殺すよ」
突然女の子の声がしたと思ったら、羽鳥の横からヒョコッとはーちゃんが顔を出した。
「はっ、はーちゃん……!?」
目をパチクリさせるあたしに、はーちゃんはニッコリと微笑んだ。
そんな羽鳥とはーちゃんを眺めるように見ると、千秋は鼻で笑い、余裕たっぷりの顔で言い返す。
「泣かせるよ?ベッドの中でな」
「なっ……」
あたしは口をパクパクしながら千秋を見つめると、顔を傾けてクスッと笑みをこぼした。
そして王子様は本物の悪役みたいに会場からあたしを連れ去った。


