王子様は誰も選ばない。
その事実に、女子生徒達が一斉に騒ぎ始めた。
「「「なんでぇえええ!?」」」
「氷のプリンスだからじゃん?」
「まじショックぅ――」
そんな騒ぎ声なんて気にもしない素振りで、堂々とステージに立つ千秋が意味深な笑みを浮かべたように見えた……。
「……っ」
胸が締めつけられるように痛い。
作られた道で膝をつき、あたしはペタンと座りこんでしまう……。
「ちょっ……あの子なに泣いてんのぉ?」
「うわっ!?王子が自分のこと選んでくれると思ったんじゃん?」
近くであたしのことをヒソヒソと口にする声が聞こえた。


