俺様王子と秘密の時間



陽が照らす廊下を走り抜けて、あたしは階段を駆けおりた。

風を含んでスカートが捲れるのも気にせずに、あたしはただひたすら足を動かした。



恋をすることが怖いと思った。


優しい殻で弱い自分を守って、傷つくことからずっと逃げてたの。

いつも自分に自信が持てなくて、ずっと地味な花子さんのままで。

キラキラ輝く恋なんて一生出来ないんだって、あたしは諦めてた。


でも変わりたいって思ったの。



一度、手放した恋。

けれどあたしはまだ千秋に何一つ、気持ちも伝えていないんだ。


一番大切なことなのに。


どうして今頃気づいたんだろう。

もっと早く素直になるんだった。

だから後ろ向きなまま、このまま終わりになんかしたくない……。



千秋が、好き――。

こんなに好きなの。

溢れちゃいそうなくらい……。