「あたしの場合は、後者だよ」
変わらない表情と声のトーンで、はーちゃんは窓の外を見つめたまま自分の恋の終わりを口にした。
あたしの手を握るはーちゃんの手に、少しだけ力がこめられてゆく。
「言われたんだ、佐久間に……、“やっぱりまだ彼女が忘れられない”って……」
佐久間くんとのことを聞いた時、はーちゃんが何か言いかけたけど、確かコウちゃんに邪魔されたんだ。
「はーちゃん……」
「でも、後悔はしてない」
どこまでも真っ直ぐな瞳で表情を変えないはーちゃんに、あたしはなんて言葉をかければいいんだろう。
あたしが過去を打ち明けた時、はーちゃんは笑い飛ばしてくれた。
でも今はそんな状況じゃない。
言葉では言えないけれど……あたしは力一杯はーちゃんを抱きしめた。
――同情なんかじゃないよ。


