俺様王子と秘密の時間



溢れ出た涙が制服のスカートに染みこんでいくのを見つめながら、あたしは首を横に振った。



「怒鳴ってごめんね?」


はーちゃんが泣きじゃくるあたしの顔を覗きこむようにして、そっと手を握りしめてくれた。


暖かい温もりがじんわり広がる。



「シイのことがちょっと羨ましかったんだよね」

「え?羨ましい……?」

「うん。だってシイから聞いた王子の言動って、好きだって言ってるようなもんじゃん?」


顔を上げるとはーちゃんの大きな瞳が飛びこんできた。


確かに千秋の言動っていつも大胆でドキドキさせられっぱなしだ。

心臓が壊れちゃうくらい。



「どんなに好きでも叶わない恋ってあるんだよ。例え、好きだって気持ちを伝えても、受け入れてもらえなかったり……相手に忘れられない人がいたり、ね……」


はーちゃんはどこか遠くを見つめたまま、さらに続けた。