俺様王子と秘密の時間



千秋は乱れた前髪をかきあげると、あたしを見つめ返した。

思わず逸らしてしまいそうになるくらい真剣な眼差しだった。



だけどなにも言ってくれない。

なにも教えてくれない。

いつもいつも一番肝心なことは絶対に教えてくれないから、千秋の気持ちがわからない。


あたしは手の内にある写真を握りしめた。



「千秋……夏休み、ユリさんと会ってたんでしょ……?」


あたしはくちゃくちゃになってしまった写真を千秋に差し出した。


それを受けとると、千秋は顔をしかめた。



「なんだよ?コレ」

「涼くんが撮ったんだって」

「は?水城が?」


あたしは涼くんがこの写真を撮ったこと、さっき涼くんから聞いた話を全て打ち明けた。



「この人、ユリさんでしょ?前に羽鳥と……一緒に居るとこ見たの」


だからわかったんだよ……とあたしは付け足した。