ドクドクドク……と心臓がうるさいくらいに暴れだして今にも逃げたくなってしまう。
「もう我慢の限界だ」
「……きゃっ!」
千秋はあたしのネクタイをほどき、ワイシャツの中に手を滑りこませてきた。
「や、やめて……!」
「オレだけ見てろって言ったよな?」
「あっ……」
千秋の柔らかい手があたしの肌に触れた。
頭のてっぺんから流れるような甘い痺れを噛み殺しつつも、耐えきれなくなるあたしは千秋の髪の毛を握りこんだ。
「雅弥に挑発されて、オレがおとなしく黙ってると思ったか?」
ふいに顔を離す千秋と視線がぶつかって、あたしは何度も首を振った。


