俺様王子と秘密の時間



まさか肯定出来るわけがないあたしはブンブンと頭を振った。



「お前、オレに嘘つけると思ってんの?」

「……っ」

「オレあの時、お前の教室行ったんだよ」


顔を傾けて、ちょっと顎を突きだして「フフン」と笑う。

でも目は全然笑ってない……。

背中に変な汗が流れ落ちる。



「カーテンで隠れてたつもり?」

「べっ、べつに隠れてなんか」


あれはたまたま風で……と言おとしたけれど、千秋が一歩、また一歩と近づいてきた。


うっ……。

口ごもってしまう。

あたしはつい後退りをした。



「A組みの下駄箱にはお前らの靴しかなかったけど?お前と羽鳥以外、誰がいんだよ」


嘘……。

ほんとにあの時、居たの?

だったら笑えないよ……。