俺様王子と秘密の時間



放課後、文化祭の準備で残るはーちゃんと別れたあたしは、体育館裏へ向かうために廊下を歩いていた。

メールの返信はなかったけれどきっと千秋は来てくれると思った。



体育館裏を選んだ理由は、文化祭の作業で残る生徒が校舎内にはたくさん居るから。

だから人目につかない場所を選んだんだ。



自分の気持ちにもう嘘つけない。

それに、どうしてもどうしても聞きたいことがあるんだ。


もうはぐらかされたりしない!




「セーンパイっ!」

「ひぃいい……!」


下駄箱付近でいきなり背後から、あの悪魔の声が聞こえてきた。



「そんな驚かないでよー」


ぬっと現れた涼くんはニコニコ笑うからあたしは身構えてしまう。



「前科があるでしょ前科が!」

「うん、そうだね」

「そうだねって……」