俺様王子と秘密の時間



「あたしは王子じゃないからわかんないけど、王子はユリさんが好きなわけじゃないと思うよ?」

「えっ?」


はーちゃんはあたしが一番気になっていたことを口にする。



「アンタが羽鳥に対する気持ちと同じようなもんだよ」

「羽鳥に対する?」


それって“友達以上恋人未満”ってことなのかな?

羽鳥はただの友達じゃなくて、けれど恋にはならないという微妙な感じ。


だけどやっぱり大切で……。

本人の居ない羽鳥の席に目をやりながらそんなことを思った。



「ま。羽鳥の言うように王子に聞いてみたら?それが一番いいって!」


女は度胸よ、と付け足すとはーちゃんは笑った。

いつも背中を押してくれるはーちゃんの優しさがあたしは大好きだ。



「あっ。てゆーか王子と言えば、今年も“あれ”やるのかな?」