そんなオレが好きになったのは、バカみたいにウブな女だった。
“羽鳥!”そう呼んでオレを雅弥と呼ばない女は初めてだった。
そうやって泥ついた欲望しかないオレの中に入りこんできた。
そいつの側に居ると胸がほろこんで、くるくる変わる表情をずっと見ていたいと思った。
オレが変なこと言ってちょっとイジめただけで顔真っ赤にしたり。
子供みたいに無邪気で可愛い顔で笑うんだ。
そいつの隣は居心地が良かった。
でも結局は、そいつもバカ王子にもってかれた。
オレが大切だと思ってるモノは全部、いつもバカ王子が奪うんだ。
わけわかんねぇ苛立ちがつのって、猿みてぇに色んな女と絡み合った。
「可愛いよ」
セックスの途中でそう囁いてやると、女は興奮してがっついてくる。
バカじゃねぇの。
本気なわけないんだよ。
オレが情けねぇくらいに好きになった女の子は一人だけだよ。


