お前の兄貴どうにかなんねぇの?
そう話をしようとオレは千秋の部屋に向かった。
情けねぇ。
まじで情けねぇ。
春希さんにあんなこと言っといて、ユリに何もしてやれない自分に腹がたつ。
中身が空っぽのバカ女みたいにオレが抱いてやって済むならそうしてぇよ。
でもオレの汚ねぇ欲望がユリを汚すなんて考えたけで気持ちわりぃ。
そんな形でユリを壊したくない。
ユリは“無垢”って言葉が似合うような一途で純粋な女だ。
だいたいそんなことしたらユリがもっと傷つくだろうってことくらい手に取るようにわかる。
それなのにアイツがユリの傷口をえぐるような真似をして汚した。
千秋の部屋から声が聞こえてオレは足を止めた。
「……千秋、あたし…」
「どうした?」
「あたし……、なんで千秋を好きにならなかったんだろう……」


