ポタポタ……と頬を伝う涙が、その写真の上にこぼれ落ちた。
千秋とユリさんが滲んで見える。
冷たい雨を浴びていたせいか、涙がやけに熱くて。
「だからアイツは……千秋はやめとけって言ったんだよ!」
羽鳥はベットからおりると放心してるあたしを思い切り抱き寄せた。
なんで泣いてんのか、なんでこんな胸が苦しいかなんて知らない。
恋はわからないことばかりだ。
こんなに辛いなら好きになんてならなければよかったんだ。
しばらく雨の降りしきる音と、あたしが鼻をすする音だけが暗がりの部屋に響いていた。
「……藍原(あいはら)ユリ。春希さんと同じ大学の3年。オレらの幼なじみだ」
きつく抱きしめる羽鳥が呟いた。
名前は知っていた。
羽鳥と下駄箱でキスしたりしていることだって知っていたんだ。
でも、それだけが知らなかった。


