えっ……?
お……親父?
なんの話してるの?
「なあ?どうなんだよ?」
千秋は涼くんの髪の毛をまるで犬を撫でるようにガシガシと触った。
涼くんの顔を見ると、お母さんに叱られた子供のような表情をしていて、今にも泣いてしまいそうだった。
う……嘘――。
あの涼くんが?
今まであたしが反論したって、自信満々で冷ややかな笑みを浮かべていた涼くんが泣きそうになっていた。
そこにさっきまでの余裕なんでものはない。
「涼くん……?」
あたしが呼びかけると涼くんは、肩をガックリと落としてしょんぼり帰っていった。
その背中が泣いていた。
「千秋、どういうこと?」
あたしが首を傾げて訪ねると、千秋は呆れたようにため息をついた。