「卒アルなんて何に使うんだよ、涼」
「あー、借してもらって悪いんですけど花子さんは利用価値ゼロでした」
涼くんはアルバムをモリヤユウジに返すと、二人は爆笑した。
「川村センパイ?言ったでしょ?“罰があたるって”」
ペロッと舌を出して残酷な笑顔をあたしに見せつけた。
そうだった……。
『みんなの王子様を独り占めなんてすると、罰があたるんだよ』
甘い蜜を独り占めにしたから罰があたったんだ。
当然の報いだ。
モリヤユウジは再びあたしの肩に手を回して横から顔を覗きこんだ。
その手は死神の手みたいだ……。
恐る恐る目をやると、蛇みたいな瞳がギロリと視界に入った。
怖くて怖くて硬直してしまった。
……この雨があたしを消してくれたらどれだけいいか。
「さぁて花子ぉ、雨降ってきたから移動するか?」
不気味な笑い声が耳に突き刺さった。
涼くんは「賛成ーっ!」と言ってニコニコ笑った。


