あたしにとどめの言葉を吐いた、あのモリヤユウジが今目の前に居る……。
「ぷっ……!花子〜みつあみはどーしたぁ?」
あたしの肩から髪の毛に手を運びながらくしゃくしゃに撫でまわす。
あの暗い体育館倉庫で、あたしに振り上げたその手に吐き気がした。
降りだした雨が次第に強くなる。
もう太陽はない……。
あたしにあるのは紫色と灰色が混じり合った空のような絶望だけ。
いくら逃げようと頑張っても金縛りにあったみたいに動けない。
「髪もちょっと明るくなって、脱花子ってかぁ〜?少しは可愛くなったじゃねぇか」
「ぶははっ!モリヤセンパイから花子さんの話聞いた時は、腹筋崩壊するかと思ったよ〜」
吹き出した涼くんはまるで面白いモノを見たような目であたしに視線を向けた。
お願いだからどうかもうあたしのことは完全に忘れてほしい。
地味女なんて眼中にないでしょ?
だからお願い……。


