「シイが謝ることは何もないよ」
こうやって優しい言葉をかけられたら、どんな顔をしたらいいかわからない。
あたしは友達に優しくされることに慣れていないから。
「ただ、雅弥のことは傷つけないでほしいんだ。雅弥はずっと……」
「コウ」
はーちゃんが真剣な声で止めたから、コウちゃんの言葉の続きを最後まで聞けなかった。
ハッとしたコウちゃんはあたしの表情を伺うと、鞄を肩にかけ直した。
「ごめんごめんっ!今の聞かなかったことにして?雅弥に殴られちゃうからさ」
コウちゃんはそう言って無理に笑ってみせると「じゃあね」と言って足早に教室を去っていった。
「意味わかる?」
しばらく沈黙が流れたあと大きなため息をついて、はーちゃんはそう言った。
あたしはフルフルと首を振る。


