俺様王子と秘密の時間



どうしよう……。

ヒヤッとしたあたしの心臓は、一気に加速を増して動きだした。


こうしている間も、羽鳥とコウちゃんのお喋りが聞こえる。

顔を見上げると千秋は驚くくらい優しく微笑み、あたしのワイシャツのボタンを全部止めてくれた。


千秋は自分のワイシャツをそっと拾い上げて着ると、ボタンをかけないまま上履きに足を通した。



千秋……?

まさか行くの?

羽鳥とコウちゃんが居るんだよ?


行かないで……、そう言いたいのに言えなくて。

たまらなくなって、背を向ける千秋のワイシャツの裾を掴んだ。


千秋は身体をこちらに向けると、あたしの唇に人差し指をあてた。

“喋るな”って言いたいんだとすぐにわかった。



千秋がシャーッとカーテンを開けると、羽鳥とコウちゃんの会話が止まった。