もっと素直に、簡単に気持ちを伝えられたらいいのに、どうしてそれがこんなにも難しいんだろう。
ここが学校の保健室だということを忘れて、あたしは千秋と何度もキスを交わし抱きしめ合った。
そうしなければ千秋が離れていってしまいそうで胸が痛んだ……。
いつの間にかあたしの口の中で溶けて消えた苺ミルクのキャンディみたいに。
「椎菜……もう離れろ……」
誰かに見つかる前に帰ろう……、千秋がそう言いたげな瞳をした。
「やだよぉ……」
離れたくなんてなかった。
今日のあたしはほんとにどうしようもないくらいに変だったんだ。
けれどそれは千秋も同じだった。
千秋があたしを壊れくらいに強く抱きしめてくれた。
チャリン……チャリン……
軽い金属音がすれるような音がして、とっさにあたしと千秋は顔を見合わせた。
その時。
ガラッ――!


