「んな顔、オレ以外に見せんなよ?」
そして千秋は優しく触れてきた。
「……もうわかってんだろ?オレの気持ち」
うっすらと目を開けると、眉を寄せて切なそうな表情をした千秋が映りこんだ。
ちゃんと見つめたくて、しっかり目を開こうとしたけれど、それよりも早く千秋の唇が降ってきた。
「んっ……」
角度を変えながらついばむようなキスをして、あたしに息継ぎすらさせてくれない。
無我夢中で千秋の背中に手を回すと、絡みつくような熱があたしに流れ込む。
「オレがこうしたいと思ってんのは椎菜だけだ……」
射し込むオレンジの夕陽が千秋の額に滲む汗を照らした。
「ち…あき……」
あたしの声に顔をあげる千秋の伏し目がちな表情に、いつもの余裕なんてなかった。
髪の毛をかきあげると、あたしの手に熱い指を絡ませてくる……。
手を繋いだって不安は消えない。


