「意味わかんないよ……」
そう言いながらも恥ずかしくなったあたしはプイッと目を逸らした。
心臓がうるさいよ……。
やっぱり、慣れない。
「お前は何も知らなくていいんだよ」
今度はあたしのネクタイに手をかけると、千秋はしゅるっと簡単にほどいた。
知らなくていいと言われたことが、何か意味が有るように思えた。
「千秋の気持ちも、考えてることも全部全部わかんない……」
声が震える。
突き放されたわけでも冷たくされたわけでもないのに、目の奥が熱くなった。
「今は何も言うな……」
「いつもいつも、そうやって誤魔化すんだね……。千秋の気持ち、全然わかんないよ……」
嫌いだったのにいつの間にか、こんなにも千秋が好きになっていたんだ。
溢れてしまいそうなくらい。


