千秋が寝そべっているのにあたしが立っているのは何だか嫌だ。
だから目線が対等になるように床に膝をついた。
千秋の整った顔が目の前にあって、鼓動が加速していくのがわかる。
「口開けろ」
「は……?」
いきなり何を言い出すのかと思えば口開けろって……。
ポカーンとしていると、あたしの頭をくしゃっと撫でた。
瞳を緩ませて、優しく微笑む。
不思議だ……。
それだけでさっきまでの不安や悲しみがスーッと消えてしまう。
「口開けねぇなら、無理矢理やっちまうぞ?」
安心感に包まれていたのに、千秋がそれを台無しにするような台詞を吐いた。
女の子になんてこと言うのよっ!
意味がわからず目を丸くするあたしの後頭部に千秋が手を回した。
そして一気に引き寄せられ、唇が重なった。


