俺様王子と秘密の時間



あたしはフルフルと頭を振る。

知られたくない。

だから絶対言わない。


チラリと千秋に視線を向けると、何もかもお見通しだというような瞳をしていた。

ダメダメ。

あの瞳に負けちゃダメ……。

それなのにさっき涼くんに言われたことや、あの場の重苦しい雰囲気が蘇ってきて涙腺が緩んだ。

スカートをキュッと握りしめる。



「椎菜、おいで?」


ベットに寝そべる千秋に手招きされて、あたしはおずおずと近寄る。



「カーテン閉めて?」

「え……?」

「早く。誰かに見つかってもいいのか?」


ヒヤッとしたあたしは慌ててベットのカーテンを閉めた。

外からはあたし達が居るなんてわからない。

カーテンに隠れてしまったココは、密室っぽくて変な緊張感が走る。