俺様王子と秘密の時間



ギシッとベットが軋む音が、放課後の保健室にやけに響いた。



「な……なんで?」


肘を立てて頭を支えながら横向きに寝そべる千秋から、目を逸らしてあたしは問いかける。



「夏合宿の朝、水城がお前んとこ来てたろ?」

「うん……」

「そん時、オレ見てたんだよ」


あ……。

そうだよそうだよ。

あの時、腕を組みながら千秋があたしの方を見てたから、フーンってやってやったんだ。

見てたわけね。



「でもそれだけで何であたしが涼くんに呼ばれたなんてわかったの?」

「近藤?つったっけ?アイツから聞いた」

「はぁあああ――?」


はーちゃんのお喋りっ!

なに言ってんのよぉおおお。

……もぉおお。



「なにか言われたのか?」