あれはほんの20分くらい前。



昼休み、苺ミルクとクリームパンの大好きな組み合わせでお腹いっぱいになったあたしの耳は、ある話をキャッチした。



「禁断の部屋、でしょ?」

「そ。わたし見たんだ。南センパイが出て来るとこ」

「ほ、本当なの?!いつ?」

「一週間くらい前。何をしてたとかはわからないけど、あれは間違いなく南センパイだよ!」



えええええええ――!

苺ミルクを口から吹き出してしまいそうになった。



“南 圭一”(ミナミケイイチ)

彼はあたしより一個上の3年生。


モデルの様な長身の持ち主で、金髪だけど痛みのないサラサラとした髪。

奥二重が可愛らしくも綺麗な瞳。




そして、あたしが密かに想いを寄せる相手なのだ。

と言っても話した回数、おはようございます×2イコール計2回……。



撃沈。