あたしに背を向ける佐久間はしばらく間を空けてから言った。
『別れたんだ』
『嘘……』
あたしとは正反対のあの可愛い彼女が門の前に姿を表さなくなったのは知っていた。
そして佐久間は静かに口を開き、全て話してくれた。
彼女が引っ越すことになったけど、それでもいいと言ったこと。
けれど彼女はすぐに会える距離じゃないんだからそっちの方が辛いと言って泣いたこと。
一通り話終えると佐久間は振り返った。
『……二年も付き合っていたのに彼女のことを何一つわかっていなかった』
そう言って佐久間は眉を下げて笑った。
本当に彼女が好きだったことを、ずっと佐久間を見ていたあたしは知ってる。
『だったらあたしにキスなんてしないで……』
まだ忘れられないクセに。
それでもあたしは、もうどうしょうもないくらい彼が好きで気持ちが溢れてしまった。
『……あたしがアンタのこと好きだって知ってた?』


