『メガネって、キスする時、邪魔じゃないの?』
自分でもなんでこんなことを口走ったかなんてよくわからなかった。
『ご、ごめん。気にしないで!』
何を言ってしまったんだと、とたんに恥ずかしくなって慌て席を立ち図書室を出ようとした。
パタン
彼は参考書を閉じると立ち上がり、口を開いた。
『試してみようか?』
『はっ?』
いきなり手を取られたあたしはわけがわからず彼を見上げる。
メガネの奥の瞳があたしを見つめていた。
……その瞬間、あたしたちの唇が重なった。
あまりにも突然のことで、あたしは目を瞑ることすら出来なかった。
『少し邪魔になるかも』
固まったまま動けないあたしにポツリと呟くと、佐久間は少しだけ笑みをこぼした。
『彼女いるクセに……』
ズルい男だ。
そして彼の次の言葉はあたしを揺さぶった。


