彼に近づきたい。
せめて、彼の瞳に映りたい。
そんな気持ちからあたしは大嫌いだった勉強を必死にした。
二回目の期末試験、あたしは学年2位に上り詰めた。
彼も少しはあたしを見てくれるだろうか。
そんな想いが募り始めた頃、
『あれ?近藤?』
図書室で佐久間と会ったのは、期末が終わった直後だった。
『近藤、2位だったな?』
『まあね。あたしもやれば出来る子なのっ。佐久間がトップにたってられんのも今だけよ』
どう接したらいいかわからなくて可愛くないことを言ってしまう。
素直にありがとうが言えない。
彼はただ笑っていた。
あたしはきっと笑われるくらいに真っ赤になっていたと思う。
そうやって少しずつ佐久間と図書室で会う回数が増えていった。
そしてその頃、あの可愛い彼女が門の前に姿を表さなくなった。
『オレの顔になんかついてる?』
頬杖をついたままじーっと彼を見ていたあたしに参考書を読む佐久間が聞いた。


