地元から離れた今の高校を受験するクラスメイトは誰もいなかった。
だからこそあたしはその高校を受験したんだ。
誰も知らないところへ行きたい。
誰もあたしを知らないところへ行ってゼロからやり直したいって。
出来れば平凡に。
それに変わりたいって思ったの。
そして決めたんだ。
もしも誰かを好きになっても……誰にも打ち明けないで胸の奥に押し込めておこうって。
『てめぇのことなんか、誰も好きにならねぇよ?この先、一生な』
彼の言葉は、振り上げられた拳よりもずっとずっと痛かった。
誰かを好きになることに臆病になったあの日。


