「ダ…メ……」


小さく呟くあたしの声を無視する千秋。


夢中で唇を押しつけてくる千秋の髪の毛に指を絡ませ、シーツを握りしめる右手に力をこめて耐える。


何度も漏れそうになる声と溢れてしまいそうな感情を噛み殺した。



『……アイツは、やめとけ』


一瞬、羽鳥の言葉が頭を過ったけれど、すぐになにも考えられないようにされる。




「もう他の男が入る隙はねぇよ。覚悟出来てんだろ？」


そんな甘美な言葉を吐いて、再びあたしに唇を這わす。



「ズルいよ……」


それ以上は何も言えなかった。

次第に強まる千秋の唇に少しだけ痛みを感じながら、もう焼けついてしまいそうだった。





「お前はオレだけ見てればいいんだよ」


吐息混じりの声で言い終える。


千秋がつけた赤い刻印は熱を帯びたまま、あたしの真っ白なＴシャツの中に隠れた。