潜りこんでいるせいか、酸素が薄くて息が荒々しくなってしまう。
「フーッ」とあたしの耳に千秋の息が吹きかかって、神経がそっちにいってしまいそうだった。
「電気消えてるし。シイ寝ちゃったのー?」
はーちゃんは独り言みたいにブツブツと言っていた。
ヤバい……
ヤバい……
もしかして、はーちゃんはお喋りしてた羽鳥の部屋から帰って来たの……?
だったら、隠れても無駄だ。
寒くもないのに背中にひんやりとしたモノが駆け巡った。
それなのに……
「お前すげぇドキドキしてんだろ?」
千秋は余裕さえ感じさせる。
千秋の口元があたしの耳元にあるのかその声のせいで身体がゾクゾクした。
「シイ?なに潜ってんのよ?」
え……っ!?
う、嘘ぉおおおお!?
はーちゃんの声がすぐ上から降ってきた。
いつの間にかもうベットの真ん前まで来ていた。


