「兄貴の話かよ」
あたしの髪の毛を拭きながら言った千秋の声はちょっとだけ低くなる。
だって、咄嗟に口から出ちゃったんだもん。
「うるせぇくらい元気」
「……そっか」
「つぅか、なんで兄貴の話なんだよ?兄貴に惚れたか?」
一度手を休めてタオルの隙間から顔を覗かせ「フッ」と笑った。
「な……。あたしにもお姉ちゃんが居て、それで……」
バカみたいな言い訳をした。
「お前の姉ちゃん面白れぇな?」
「へ?」
「オレん家来いって電話した時、姉ちゃん出たろ?」
ああ……そうだった。
お姉ちゃんのせいで千秋ん家に行くことになったんだっけ。


