俺様王子と秘密の時間



ホテルのシャンプーはお姉ちゃん家にあるのとは違う銘柄で、美味しそうなフルーツの匂い。


はーちゃんもう帰ってきたかな?

バスルームの横に備え付けられた洗面台の上にあるケータイに手を伸ばす。

はーちゃんからメールが届いていて、内容に目を通したあたしは少しだけ肩を落とした。


【From:はーちゃん】
【To:】

帰ってきた?
先に温泉はいってきちゃった!
ごめんね
羽鳥とコウの部屋に居るからおいで!

-----END-----


夜はみんなでお喋りしようなんて言っていたっけ。

とても羽鳥と顔を合わすなんて出来ないよ……。



髪の毛を軽く拭いて、バスルームの扉を開けた。




「な……っ!」


なんでぇえええええ?