「なんでもないの……」
呟いた声が震えてしまう。
ダメだ……。
また、泣きそう。
千秋は少し間を置いて口を開く。
「なにがあったか知らねぇけど、んな顔すんなよ?」
まるで子供みたいなあたしをなだめるように、千秋は何度も何度も頭を撫でてくれた。
グスッ……と鼻をすするあたしは、たまらなくなって千秋の背中に腕を回した。
ギュッとしがみつくように。
落ち着きを取り戻したあたしを見て、千秋は口を開いた。
「とりあえずシャワー浴びてこいよ」
「えっ?」
「風邪ひくだろ?」
ああ、そっか……。
あたし、バカだなぁ。
またエッチなことされるんじゃないかって……なに身構えちゃってんのよ。
そんなあたしを見た千秋は……
「一緒に入ってほしいのか?」


