「なによぉ……例えあたしが千秋を好きだったとしたらなに……?」
……あたし、矛盾してるよ。
“嫌い”だなんて言っておいて、今までずっと秘密な関係だったことを羽鳥は知らないんだから。
「羽鳥こそ……」
ずっと足元を見つめていた目線を羽鳥に向ける。
「羽鳥こそ、ユリって人と………下駄箱でキスしてたじゃない!」
ダメ……。
声が震える。
こんなこと言ったら羽鳥と今までのようにいられなくなってしまう……。
「女の子なら誰でもいいクセに!羽鳥に言われたくない……」
わかっていた。
口にしたらダメだって。
でも、もう止まらなかったんだ。


