「ん……」 声が漏れてしまうことが恥ずかしくて、唇が離れたと同時に手で隠した。 「手どけろ。出来ねぇだろ?」 顔を傾ける千秋。 戸惑いながらもあたしは千秋とのキスに夢中になっていた。 千秋の甘い匂いに包まれていた時 入り口で人影が揺れた。 ハッとした時にはもう遅くて…… 「……なにしてんだよ」 ビクンッ……と全身が大きく跳ね上がった。 その声に気づいた千秋は驚くこともなくゆっくりと唇を離した。 入り口でウェーブの髪が揺れた。 「……羽鳥」