「とりあえず夏休み明けたら部室行ってみなよ?」


きっと大丈夫だからと、コウちゃんは明るく言ってくれた。





バスが走りだして結構時間が経つ。

あたし達が行く地方都市の山奥にもうすぐ到着すると西山先生がマイクで伝えた。



色んなことが一変に起きて、頭の中がぐちゃぐちゃで整理が出来ない状態。



千秋のことも。

羽鳥のことも。

涼くんの意図も。


この夏、何かが起こりそうな予感がする。

それは良いことなのか、悪いことなのかあたしはまだ想像すら出来なくて。

せめて夏合宿の間だけは、悪いことが起きないでほしい。



口にした苺ミルクは、ちょっぴり甘酸っぱかった。