衣類の感触がしてふと目線を下げるとちゃんと服を着ていた。



ありゃ……?

千秋はいつの間にか中途半端になっていワンピースまで着せてくれていた。



「オレのだから、返してな?」


変わりにバスローブは千秋が身に纏っていた。


あたしもぉ生きていけないよ。



「かかかか帰ります!」

「じゃ、送る」

「いい!一人で帰れるもん!」

「バカか?危ねぇだろ?」



千秋の言葉を無視してムクッと立ち上がり、ジャケットを手に持つとベットからおりてドアの方へ歩こうとした。



「椎菜ちゃん?」


皮肉をこめてあたしを呼ぶ声が背中に響く。

クルッと回って振り返る。






「逃がさねぇから覚悟しろよ?」


千秋はパチっと嫌味たっぷりのウインクをした。




来週は夏合宿……。

あたしは千秋との秘密の時間を終わらせることが出来るのかなぁ?

甘酸っぱい余韻を残しまま……、部屋を出た。