俺様王子と秘密の時間



「…んんっ…」


千秋の柔らかい唇があたしの唇をなかなか解放してくれナイ。

優しく触れるだけの初めてのキスの時と全く違って強さを感じた。

千秋の手はあたしの頭からだんだん背中におりていき、腰に回す。


その腕に力がこもってゆく。


かと思ったら

ジー……

その音に気づいたあたしは思い切り顔を横に向けた。



「……やめてっ…」


そんな抵抗も虚しく千秋はあたしの顎を指でつまむと無理矢理、自分の唇に持っていった。



ワンピースのファスナーを器用にゆっくりおろしながら、千秋はキスを止めない。

あたしの背中を千秋は指でそっとなぞった。



「……っ!」


ピクッと背中をよじらせるのが精一杯の抵抗だった。