背の高い下駄箱がいくつも並ぶその間で激しいキスを交わす二人の姿。

荒々しい息が妙に響いている。



「こんなとこで……ダメよ」


な……ななななんてことを!

信じられない光景に目を奪われあたしは息を呑んだ。


女の人は全く知らない以前にこの学校の生徒じゃないとわかった。

長い足を露にしたセクシーなワンピースにジャケットのような物を着ていたからだ。

男の顔は女の人の頭が邪魔で誰かわからない……けどうちの学校の制服を着ていた。


えぇええええ……。



「ちょ……ちょっとシイ、顔真っ赤じゃない!」


コソッと喋るはーちゃんの顔を見ると、それは負けず劣らず。



「はーちゃんだって……タコみたいに真っ赤……」


あたしたちがこんなことを言い合える余裕があったのはココまでだった。