俺様王子と秘密の時間



バレているとわかっていても、なかなか教壇の下から出れないでいる。

身体を丸くするように、あたしは身を縮めながら隠れているつもりなのだ。



「………ククッ」


口元に手をあてて、コイツは楽しんでいるかのようにクスッと笑った。

最悪だ……。

もう、どう取り繕ってもあたしは盗み聞きの犯人になるのだ。

確か、朝の占いでもあたしの運勢は最下位だったっけ……。



「コソコソしてないで、出てきなさいよっ!」


キツイ口調ので言う女の子声が響きわたる。

ううっ…………。

もぉダメだ……観念しよう……。


あたしは縮めた身体から力を抜いて、そーっと教壇の下から出た。



「あ……あの、あたし」


盗み聞きなんてするからこういうことになるんだ。

気まずい……。

俯いていた顔を静かに上げるあたしに、更なる悲劇が待ち受けていた。




え…………?