目をパチパチさせながら顔を上げると、羽鳥が苺ミルクをくれたんだ。
大好きなのに、なんだか胸がキュッとした。
初めてキスしたあの日、千秋も苺ミルクをくれたからだ。
「シイ、好きだろ?」
ウェーブの髪をふわっと揺らしながら羽鳥が笑う。
まるで子供みたいな無邪気な笑顔に救われた。
「………ありがと」
苺ミルクは好き。
あたしの身体の半分は、苺ミルクで作られてるんじゃないか……なんてくらいに。
「なんかあったか?特別にオレが聞いてやるよ?」
「ん………」
羽鳥は優しい。
いつもじゃれあってるけどあたしやはーちゃんやコウちゃんが落ち込んだ時、真っ先に気づいてくれる。