あたしは、千秋にまたドキドキさせられるんだろなぁ……なんてバカみたいなことを考えていた。
……それなのに。
「今日はちょっと真面目な話」
「へ………?」
拍子抜けしてしまった。
だっていつも千秋なら、何を考えてるんだかあたしがドキドキするようなことばかりしてくるから。
後ろからあたしを抱きしめる腕、でも千秋の表情は見えなくて……わからない。
「オレ、お前が盗み聞きしてたこと、誰かに話そうとか思ってねぇよ」
あまりにも真剣な声だったから、あたしは何も言えなくなった。
ドキン……ドキン……。
千秋の身体が当たって、まるで背中が焼けるように熱くなって、ふにゃふにゃしてしまいそう。
「オレ、お前のこと………」