密着している中で、無意識のうちに千秋があたしの胸に手を当てていたんだとわかった。
けれど悲鳴をあげそうになった瞬間、千秋は大きな手でそれを阻止した。
んんんんん―――!
なんでいつもこうなるのぉ?
苦しさからなのかあたしは涙目になりながら千秋を見上げた。
それは抵抗のつもりだったのに。
「誘ってんの?」
コイツにそれは通用せず、全く正反対の意味だと捕らえられてしまう。
「………誰か居るの?」
少しキツイ口調に、高いけれどしっかりしたコノ声質は間違いなくはーちゃん。
「オレ、見てこようか?」
さ……佐久間くん!
お願い、来ないで!
「あたしが行くからイイ」
はーちゃぁあああん!
ガタンと椅子から立った音がして、あたしはもうダメだと諦めた。
見つかる………!


